理系大学進学で押さえておくべき「学士・修士・博士」のキホン

「大学」は「人生の夏休み」という代名詞もあるように、勉強する量が少ない印象があったり、4年間で卒業すると思われがちですが、理系の大学では必ずしもそうとは限りません。この記事では理系の大学進学の基本情報として「学士・修士・博士」についてご紹介します。

学士:研究をするための教養を身につける4年間

大学を卒業すると「学位(degree)」と呼ばれる卒業した証を取得することができるのですが、その学位には「学士・修士・博士」の3種類が存在します。

一般的に言われる「大卒」とは、日本の大学に4年間通って卒業することで得られる「学士(Bachelor degree)」を取得した人のことを指します。

日本の多くの理系の大学では、この学位を取得する4年間で「研究をするための教養」を身に付けます。つまり、4年間大学に通って卒業しても、本格的な研究はまだほとんどできていません。

修士:初めて本格的な研究と論文執筆をする2年間

学士を取得した学生は、「就職」か「修士進学」どちらかの道を選ぶことになります。4年間学んだ教養を生かして、自分の好きな分野をとことん研究したい学生は2年間の「修士課程」に進学することができます。この2年間では、それまでの4年間と同じように授業を受けることはあるものの、「研究活動」が日々の生活のメインになります。入学する際に選んだ自分の所属する「学科」の中にはさまざまな「研究室」があり、基本的に一人の教授が自分の研究室を持っていて、一緒に研究する学生を募集しています。修士課程では、自分に合う研究室を選び、その研究室の先生とよくコミュニケーションをとりながら、本格的な研究に取り組みます。研究の成果は論文にまとめ、日本全国いろいろな場所で開催される「学会」でその論文の内容を発表する、というのが卒業に必要なステップです。

博士:研究者・技術者の卵として認められるための3年間

修士を取得した学生もまた、「就職」か「博士進学」どちらかの道を選ぶことになります。博士進学をした学生は、およそ3年間をかけて、誰も成し遂げたことのない研究成果を出し、それが社会にとって有益であると認められなければなりません。成果として要求される水準は修士の時よりも高くなり、発表や論文の執筆も英語でするよう求める大学が多くあります。発表の場も日本を飛び出して世界のより大きな場で発表することも増えます。日本の大学では「修士」を持っているだけで十分と考える企業や組織が多い一方、国際的には、研究者や技術者として働く場合修士だけでは実力不足と見られるケースも多く、国際的に技術者として活躍したい場合には、博士号の取得を検討する必要があります。

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